検索

人間の尊厳の尊重なしに真の自由はあり得ない、教皇、サンマリノで

教皇レオ14世は、サンマリノ共和国を司牧訪問された。

 教皇レオ14世は、8月22日、サンマリノ共和国を司牧訪問された。

 サンマリノは、国土面積61.2平方キロの、世界で5番目に小さい独立国である。イタリア半島の中東部に位置し、北・東側はイタリアのエミリア・ロマーニャ州と、南・西側はマルケ州と接している。

 伝承によれば、301年、ダルマチアの石工であった聖マリーノ(マリヌス)が、ディオクレティアヌス帝によるキリスト教迫害から逃れ、ティターノ山に小さなキリスト教共同体を形成したことが建国の起源とされる。

 このたびのレオ14世のサンマリノ訪問は、1982年のヨハネ・パウロ2世、2011年のベネディクト16世に次ぐ、ローマ教皇として3回目の訪問となった。

 レオ14世は、22日午前、バチカンからヘリコプターでサンマリノ共和国に向かわれた。

 サンマリノに到着された教皇は、アリーチェ・ミーナ氏とヴラディミーロ・セルヴァ氏の2人の執政に伴われ、政庁舎に面したリベルタ広場で歓迎セレモニーに臨まれた。

 次に教皇は政庁舎プッブリコ宮殿内で、執政との会談、記帳などを行われた。

 教皇は記帳の際、「神がサンマリノ共和国を、自由と平和と一致の恵みをもって、いつも祝してくださいますように」と記された。

 プッブリコ宮殿の大評議会ホールで行われた集いでは、教皇は執政や、議員、当局関係者らを前にスピーチを行われた。

 この中で教皇は、サンマリノ共和国のモットー「リベルタス(自由)」を取り上げ、その深遠な意味について考察された。

 教皇は、真の市民的自由は、個人の自由、すなわち人間の尊厳の尊重と促進なしにはあり得ないと強調。

 自由は人間の尊厳の不可欠な要素でり、それは究極的には神によって与えられ、保証されるもの、と話された。

 自由の促進とは良心の空間を守ることを意味する、と述べた教皇は、あらゆる時代・場所において、良心の至上性を証しし、自由のために殉教した多くの人々を思い起こされた。

 教皇は、さらに自由は与えること、交わり、出会い、対話を通して実現されるものと話し、それは成長して枝葉を広げ、すべての人に酸素や、日陰、香り、果実、新しい種をもたらす植物のようでもあると語られた。

 自由が三位一体の愛を源泉とするものであるならば、そうあることは当然である、と教皇は述べつつ、一方で、今日の政治的・経済的計画が、自由の名の下に現れながらも、実際には偶像と権力の奴隷となっている状況に言及された。

 キリスト教的見方から、自由と一致は表裏一体である、と述べた教皇は、多くの聖人たちが福音に基づいた規則に従いながら、人々が自由を表現できる共同生活を実践してきた、ことを回想。

  特にサンマリノの共同体の起源にある聖マリーノや聖レオのような存在は、いわば自由で平和な都市の構築者たちである、と話された。

 サンマリノにとって、「自由」とは、平和構築への積極的かつ建設的な参加への揺るぎない取り組みをも意味している、と教皇は話しつつ、外交と多国間主義を、国際関係を育み、国家間の相互理解を促進するための重要手段と位置付ける同国の姿勢を、バチカンと共通のものとして示された。

 今回のサンマリノ訪問は、モナコ公国訪問の際と同じく、小規模な「人間的規模」の国家が持つ独自の価値を強調する機会を与えてくれるもの、と教皇は指摘。

  こうした国家では、市民の必要に寄り添った政治による、より効果的な民主主義の実現が可能である、と述べつつ、サンマリノ共和国が、国家の世俗性を損なうことなく、カトリック社会教義が説く、共通善の追求、富の普遍的目的、補完性と連帯の調和、社会正義といった原則を活かせる、優れた政治の「実験室」となることを期待された。

 政庁舎を後にする前に、教皇は2人の執政とバルコニーに立ち、詰めかけた人々に言葉を向けられた。

 教皇は人々の歓迎に感謝すると共に、サンマリノの美しさ、歴史、伝統、人々の深い信仰を体験できたことを喜ばれた。

 そして、キリスト・イエスにおける真の自由を生き、受け入れの精神のもとに常に一致することができるようにと願い、祝福をおくられた。

教皇レオ14世、サンマリノ共和国を訪問、到着と歓迎式

 

22 8月 2026, 13:22