教皇、移民の保護者、聖フランチェスカ・カブリーニ生誕の地へ
イタリア北部を訪れた教皇レオ14世は、6月20日、パヴィアに続いて、移民の保護者、聖フランチェスカ・ザベリオ・カブリーニの生誕地、サンタンジェロ・ロディジャーノを訪問された。
修道女、宣教師、教育者として奉仕の生涯を送った、聖フランチェスカ・カブリーニ修道女(1850-1917)は、サンタンジェロ・ロディジャーノに生まれた。1880年、「イエズスのみ心の女子宣教会」を創立。東洋の使徒、聖フランシスコ・ザベリオ(ザビエル)に倣い、自らの名前に「ザベリオ」の名を加えた。当初、中国での宣教を望んでいたが、教皇レオ13世により、イタリア移民を助け、その信仰生活を支えるために、米国に派遣された。以来、教育・福祉・医療など、様々な分野における慈愛の業を通し、移民たちに尽くし、福音宣教に貢献した。「イエズスのみ心の女子宣教会」の活動はイタリア、フランス、スペイン、英国、米国、中南米に広がっていった。1909年、米国の市民権を取得。1917年、シカゴで帰天した。1938年に列福、1946年に列聖され、1950年、すべての移民の保護者として宣言された。
パヴィアから20kmあまり離れたサンタンジェロ・ロディジャーノに到着した教皇は、大勢の市民の歓迎を受けながら、聖アントニオ修道院長と聖フランチェスカ・カブリーニに捧げられた聖堂へと向かわれた。
聖フランチェスカ・カブリーニの墓は米国ニューヨークの教会にあるが、「イエズスのみ心の女子宣教会」の創立地コドーニョに保管される同聖人の聖遺物が、サンタンジェロ・ロディジャーノの聖堂にもたらされた。聖堂に入場された教皇は、まずマザー・カブリーニの聖遺物の前で祈りの時を持たれた。
その後、教皇は「イエズスのみ心の女子宣教会」の会員たちをはじめ、聖堂内をいっぱいにした人々に挨拶をおくられた。
「わたしは、移民の保護者であり、アメリカ合衆国初の聖人となったマザー・カブリーニに敬意を表するためにここに参りました。マザー・カブリーニは、1850年、ここサンタンジェロ・ロディジャーノに生まれ、1917年、わたしの故郷であるシカゴで帰天しました。サンタンジェロ・ロディジャーノがパヴィアからわずか数キロしか離れていないと知り、この機会を逃してはならないと思いました。そして、今、わたしはここにいます。」
教皇がこのように話されると、聖堂内から割れるような拍手がわき起こった。
レオ14世は、人々が示す教皇への愛と歓迎に感謝を述べながら、マザー・カブリーニの霊性を培っていたものの一つである、教皇に対する特別な愛と従順に言及。
「イエズスのみ心の女子宣教会」創立後、宣教先を考えるマザー・カブリーニの選択を決定づけたものは、当時の教皇レオ13世の「東方ではなく、西方へ」という指示であったと述べつつ、ピアチェンツァの司教、聖ジョヴァンニ・バッティスタ・スカラブリーニと同様に、米国で生きる無数のイタリア人移民に尽くすことになった、聖カブリーニの生涯を振り返った。
今日の世界を見つめる時、移民現象は、かつてより複雑な新しい局面を迎えたように思われる、と述べた教皇は、マザー・カブリーニがこの時代を生きていたならば、彼女の宣教心は自らに何と語りかけただろうか、あるいは、キリストの聖心は、キリストに奉献し、その王国に仕えたマザー・カブリーニに、どのように語っただろうか、と問われた。
前教皇フランシスコの3番目にして最後の回勅となった『ディレクシット・ノス(邦題:主はわたしたちを愛された)』が、キリストの聖心をテーマに扱っていることを思い起こしたレオ14世は、聖カブリーニのいのちの原動力はキリストの聖心の無限の愛であったと話された。
また、前教皇が準備したものを受け継いで完成させた、自身の使徒的勧告『ディレクシー・テ(邦題:わたしはあなたを愛している)』は、貧しい人々への愛をテーマとしているが、愛(カリタス)の形としての移民への寄り添いについて記す部分で、まさに聖スカラブリーニ司教と聖カブリーニの名を挙げている、と紹介された。
教皇はこの機会に、特に若者たちに向け、「聖フランチェスカ・カブリーニについて知ってください。イエスと宣教への情熱に満ちたその書き物、書簡や、旅の日記、黙想中のメモをぜひ読んでください。マザー・カブリーニを知る者は、魅了されることでしょう」と呼びかけた。
レオ14世は、聖カブリーニの模範ととりなしによって、皆がキリストを愛し、熱心かつ寛大な心で福音を証しし、最も貧しい人々に奉仕できるように、また「イエズスのみ心の女子宣教会」の会員たちがカブリーニ修道女のカリスマへの忠実を新たにすることができるようにと祈られた。
この出会いの後、教皇はローマにヘリコプターで戻るために、サンタンジェロ・ロディジャーノの競技場へ向かわれた。
見送りのために競技場のスタンドに詰めかけた若者たちに、教皇は心からの感謝を述べ、祝福を与えられた。
こうして、イタリア・ロンバルディア州のパヴィアとサンタンジェロ・ロディジャーノへの訪問を終えた教皇は、ヘリコプターに搭乗、同日夜バチカンに戻られた。
