「人間的であれ」教皇、スペインの若者たちと対話
教皇レオ14世は、スペイン司牧訪問初日、6月6日夜、マドリードで若者たちとの祈りの集いを持たれた。
会場となったリマ広場と周辺は、教皇との出会いを求めるおよそ60万人の参加者であふれた。
「キリストの聖体」の祭日の前夜に催されたこの集いは、若者たちによる歌や、「ゴスペル」と題されたキリストとの出会いを表現した演技を交えつつ、前半の教皇と参加者代表による質疑応答形式の対話と、後半の聖体礼拝を中心に行われた。
若者たちとの対話では、6人の代表が信仰生活に有益な助言を求めて投げかける問いに、教皇はそれぞれ誠実に答えられた。
たとえば、「聖アウグスティヌスがあなたにとって大変重要であることは知っていますが、他にどのような聖人がキリスト者としての成長に影響を与えましたか」という問いに対し、教皇は、聖ヨハネ・クリゾストモ、ヴィラノヴァの聖トマ、聖トゥリビオ・デ・モグロベホの3人の名を挙げられた。
聖ヨハネ・クリゾストモ司教教会博士(347頃−407)について、教皇は、「黄金の口」を意味する「クリゾストモ」という称号を与えられ、その雄弁さで知られた同聖人を紹介しながら、心に保たれた神の御言葉への愛、言動一致の生活、特に真理への愛と正しい生活を融合させた教理の解説・説教・著作に感銘を受けたと語り、また正義のために皇帝の前で話すことをも恐れなかったその勇気に言及した。
ヴィラノヴァの聖トマ大司教(1486–1555)をめぐり、教皇は、スペイン生まれで、アウグスチノ会士、司教となった同聖人の、教会の改革のために捧げたその生涯と、「貧しい人々の司教」と呼ばれた熱い慈愛に触れ、試練や奉仕の中で特にその慈愛から勇気を得ることができた、と語った。
教皇は、同じくスペイン生まれの聖トゥリビオ・デ・モグロベホ大司教(1538-1606)について、ペルーでの福音宣教に現地の言語を学びつつ非常な情熱を持って献身し、祈りの生活と植民地時代の虐待や腐敗などに対する正義のための取り組みを一致させたその生涯は、ご自分にとって、キリストの名において民に、中でも最も貧しい人々に奉仕することの模範である、と話された。
また、「ペルーで宣教していた期間の、宝となっている経験や思い出」について尋ねられた教皇は、「多くの困難に見舞われながらも、希望にあふれた人々の信仰の証し」を大切な思い出として挙げ、「まさに人々の傷や喜びとの出会いが、イエスに従い歩む道のりでわたしを成長させてくれた。福音を宣べ伝える中で、福音によって、また物質的にはとても貧しいが信仰において豊かな人々の生き方と信仰によって、自分自身も変えられていった」と振り返った。
さらに、「教会の若者たちに託したい具体的なミッションは」という質問に、教皇は「人間であること」と答えられた。「そうです。人間らしくあってください。血と肉を持った人間、見かけではなく、信頼しうる顔を持つ人間であってください」と願われた。
そして、「日ごとの糧」に対するように正義に飢え渇きそれを求める人、正直でまっすぐな生き方を望む人、自分が他者からしてもらいたいことを他者に対し快くできる人であって欲しいと話された。
「完全な人間であり、復活した方、あらゆる時代においてわたしたちと歴史を分かち合ってくださるキリストのように、人間的であるように」、「異教の世界にいた、使徒たちや、初期のキリスト教徒を思い、彼らを模範として、今日の物質的・精神的な貧しさを前に、福音を伝える者となるように」と教皇は励まされた。
「わたしたちの信仰は、愛(カリタス)を通して完成される、一つの生き方です。愛はすべての徳の中でも、特に歴史を変える徳です。皆さんは歴史を変えることができるのです。愛をもってそれを成し遂げてください」と若者たちに呼びかけられた。
最後に、教皇と若者たちは、広場に満ちた沈黙の中で、聖体礼拝を行なった。
