教皇と作家たちとの出会い、バチカン出版局創立100周年記念に
バチカン出版局の創立100周年を機会に、6月24日、教皇レオ14世と世界の作家たちとの出会いが行われた。
バチカン出版局は、教皇ピオ11世によって1926年に創立された。
同出版局100周年の記念行事として行われたこの集いには、ヨン・フォッセ(2023年度ノーベル文学賞受賞・ノルウェー)、マリリン・ロビンソン(米国)、エリザベス・ストラウト(米国)、エリック=エマニュエル・シュミット(フランス)、フリア・ナヴァロ(スペイン)、ジョナサン・サフラン・フォア(米国)、ソルジュ・シャランドン(フランス)、コラム・マッキャン(アイルランド生まれ、米国在住)、スザンナ・タマーロ(イタリア)、ミルチャ・カルタレスク(ルーマニア)ら各氏をはじめ、世界各国を代表する小説家・劇作家・詩人・随筆家らが多数参加した。
作家たちを歓迎された教皇は挨拶で、「本」そして人間の表現形態としての「書くこと」の重要性について様々な角度から考察された。
「書くこと」は、真理に対する行為、何かを明らかにする行為である、と教皇は述べ、書くことは、わたしたちが何者であるか、何を信じ、何を望んでいるか、いかなる世界を目指し、どのような未来を夢見るかを語っている、と話された。
教皇は、「真理とは、守り抜く領分ではなく、分かち合うべき善である」(『マニフィカ・フマニタス』25)と述べつつ、わたしたちは決して真理の主人ではなく、むしろ、真理がわたしたちを「征服」するのである、と話された。
そして、こうした意味で、作家たち自身が真理に惹きつけられることで、真理への関心を人々の心に呼び起こすことができるようにと願われた。
また、レオ14世は、「書くこと」は人間性に満ちた行為であるとも述べた。
文学では人間的なあらゆる経験が展開されることから、文学作品が持つ育成的な価値を前教皇フランシスコが書簡『育成における文学の役割』を通して強調していたことを、レオ14世は振り返った。
教皇は、作家たちの作品は「人間性の偉大な学び舎」であると話し、本を読むことは、ある意味で、自分自身の人生を超えて、数多くの人生を生きることにほかならない、と語られた。
さらに、教皇は、書くという行為の神との関わりに言及。人が自らの人間性の深みに触れる時、神から遠ざかっているのではなく、むしろ、深い人間的な物語のただ中でこそ、神はご自身を現される、と述べ、神は出来事や出会い、人々の顔や物語を通して語りかけられる、と話された。
わたしたちは皆さんを必要としている、皆さんの想像力、物語を紡ぎ出す創造力、そして思考の瑞々しさを必要としている、という聖パウロ6世がすべての芸術家に向けた言葉を繰り返しながら、レオ14世は作家たちに祝福をおくられた。
