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「いのちを推進し、救い、守る」教皇、軍と警察関係者の聖年に

軍と警察関係者のための聖年が記念され、教皇フランシスコによるミサがバチカンでとり行われた。

  軍と警察関係者のための聖年の行事が2月8日と9日の両日行われた。

 この聖年イベントには、イタリアをはじめヨーロッパから、軍、警察、消防などの代表、また士官学校関係者、従軍司祭等が参加。8日には諸グループが聖なる扉をくぐりバチカンの大聖堂を巡礼、9日には聖ペトロ広場で教皇フランシスコが主宰するミサに参加した。

 このミサで、教皇は説教の冒頭部分を読み上げた後、気管支炎のため、残りは教皇儀典室・儀典長のディエゴ・ラヴェッリ大司教の代読に任せたい、と述べられた。

 教皇の説教は、ルカ福音書のゲネサレト湖畔でイエスが漁師を弟子にする場面(ルカ5,1-11)を取り上げている。

 教皇は、この場面でイエスがとった3つの態度、「見る、乗る、すわる」に注目。

 群衆の中にいても、岸に上がった二そうの舟と、不漁の後で舟から降りて網を洗っている漁師たちを見つけ、憐れみ深い目でご覧になるイエス、失望した漁師たちの舟に乗りこむ、すなわち漁師たちの生活空間に入っていかれるイエス、舟の中に腰を下ろし、教え始め、福音によって彼らの失望の闇に光を灯されるイエスの姿を示された。

 教皇は、軍と警察関係者のための聖年にあたり、国の防衛や、治安や法秩序の維持、災害の中での救助、環境保全、平和の推進など、社会の多様な側面で大きな使命を担う人々に、イエスのこの3つの態度に倣うようにと勧められた。

 そして、市民のいのちや、環境、社会、政治、共通善に対する脅威に対し注意深い眼差しを持ち、悪を見張るだけでなく、善と自由と正義への奉仕の使命をもって舟に乗り、それが遭難しないように努力し、常に合法性と弱い立場の人の側にいる皆さんの存在をもって、人々に正義と公正、社会への情熱は今日でも必要な価値であること、悪の力を前にしても、より人間的で正義ある、兄弟愛にあふれた世界を築くことは可能であることを教えて欲しい、と願われた。

 同時に、教皇は、いのちを推進し、救い、守るという目的を見失わず、戦争や武力への誘惑を警戒し、憎悪をあおるプロパガンダに染まらず、平和と正義と兄弟愛の新しい時代を共に築いて欲しいと、関係者らを励まされた。

09 2月 2025, 19:55