菊地枢機卿:多様な現実の中で一つの信仰を生きるアジアの教会
デボラ・カステッラーノ・ルボフ
「この3日間を通じ、わたしたちはアジアにおける自らの現実について理解を深めると共に、実に多様な現実の中にありながらも、一つの信仰、キリストの体において一つに結ばれているという認識を強くする機会を得ました。」
東京大司教・FABC事務局長、菊地功枢機卿は、インドネシアのジャカルタで20日(月)に始まり、26日(日)に終了するFABC総会を振り返り、バチカン・ニュースのインタビューでこのように述べた。同総会には、アジア各地から120人以上の枢機卿や司教が集い、アジアの全大陸における教会の使命について祈り、考察を深めている。
菊地枢機卿は、会議の初日にミサを司式した。会期中は互いに意見を交換し合う日々が続き、木曜日には、参加者たちはそれぞれのテーブル・ディスカッションの成果を発表した。
総会が続く中、バチカン・ニュースは菊地枢機卿に、この会議についてはもとより、日本の教会や、教皇レオ14世の回勅『マニフィカ・フマニタス』についてもインタビューを行った。
問:FABC総会のこれまでの主な成果は何だとお考えですか。また、討議における主要テーマや優先問題は何でしたか。
菊地枢機卿:アジアの教会は、文化、言語、政治、経済などの多様な現実の中にありますが、わたしたちの多くに共通することが一つあります。それは、フィリピン以外では、社会の中で絶対的な少数派であることです。
火曜日から木曜日までの3日間、考察と体験の分かち合いを行ってきました。初日には、メンバーらによる3分間のビデオ・プレゼンテーションを共有しました。水曜日には、タグレ枢機卿の導きのもと、祈りと「聖霊における対話」の時を持ちました。そして木曜日には、アジアの社会・政治情勢の動向について学び、各地方教会の現状を分かち合いました。
この3日間を通じ、わたしたちはアジアにおける自らの現実について理解を深めると共に、実に多様な現実の中にありながらも、一つの信仰、キリストの体において一つに結ばれているという認識を強くする機会を得ました。
わたしたちは、現地の事情に根差した宣教のための課題と機会を共有し、いくつかの共通事項、特に対話の重要性を見出しました。
わたしたちは、自らが「架け橋」となるべく最善の道を模索すると同時に、多彩な文化や、貧しい人々をはじめとする多様な人々との対話、数多くの宗教が共存する様々な現実の中での対話、そして環境危機への対応において、人々の間に、そして人々と共に、「架け橋を築く者」となりたいと願っています。
問:アジアは極めて多様性に富んだ大陸です。今会議において、兄弟である他の司教からどのようなことを学ばれましたか。
菊地枢機卿:アジアにおける大きな人の移動の波は、多くの国で早急な司牧的配慮を必要としています。また、人間の尊厳の擁護も、多くの国で優先事項となっています。
各国特有の状況や課題はありますが、わたしたちはアジアの教会の共同体間で協力の道を模索することができます。アジアの各教会共同体に求められているのは、互いの実情に対する相互理解と相互協力です。兄弟である司教たちは皆、それぞれの現実は異なれども、互いにその置かれた状況を理解し合い、支援を、とりわけ霊的な支援を求めています。
問:日本ではカトリック信者が人口に占める割合はわずかです。東京大司教として、こうした状況のもと、このたびの討議が、日本の教会の信仰のより良い証し、さらには宣教にどのように寄与すると思われますか。
菊地枢機卿:教会の公式統計によれば、日本におけるカトリック信者の数は50万人に満たないものです。しかし、実際には、国内には少なくともさらに50万人の移民のカトリック信者が存在しています。日本の教会の公式の登録システムは、こうした移民のカトリック信者を完全に把握していません。例えば、東京大司教区内には、推定4万人のフィリピン人が居住しています。また、一時的なビザで日本で就労している若いベトナム人たちの多くもカトリック信者です。
他のアジア諸国の司教たちとの出会いを通じて、わたしたちは移民のカトリック信者の現状について実りある議論を行い、そして、これらの人々への司牧的配慮をめぐり、有意義な見解を交換しました。
わたしたちは皆、移民のカトリック信者の存在が地域の教会共同体に大きく貢献しているという点で意見を同じくしています。彼らの存在は、共同体の多様性を深め、特に日本のように、しばしば排除やナショナリズムに傾きがちな社会において、教会が「多様性の中の一致」の証しとしての立場を確立することを可能にしています。
日本の教会は、異なる国を出身とする人々が共に歩み、共に祈る、「多様性の中の一致」を体現する共同体となることで、その存在そのものを通して、福音の価値を宣べ伝えることができます。この証しにおいて鍵となるのが「シノダリティ」だと思います。
問:東京大司教として、教皇レオ14世の回勅『マニフィカ・フマニタス』は日本でどのように受け止められているとお考えでしょうか。技術革新における日本の主導的立場を踏まえ、この文書は日本の社会に共感を呼んだと思われますか。
菊地枢機卿:新回勅『マニフィカ・フマニタス』は、日本のいくつもの報道機関で取り上げられました。実際、教皇選出以来、教皇レオの言葉や動静は、日本のメディアで積極的にフォローされてきました。同時に、この新しい回勅は、目下、国全体の関心事でもあるAIの問題を扱っていることから、その内容には大きな関心が寄せられています。公式の日本語訳は現在作成中ですが、その公開が待ち望まれます。その時初めて、一般の人々の反応を見守ることができるようになるでしょう。